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代表挨拶

東京電力福島第一原子力発電所の事故発生以後、福島やその近隣地域で暮らす子ども達の日常生活は、劇的に変わりました。外遊びの制約はそのもっとも顕著な変化のひとつで、低線量被ばくによる健康被害への不安を抱えたまま、心身ともにストレスを感じている子どもと家族のために、全国で取り組まれている支援のひとつが「保養」です。

原発事故当事者のために定められた法律※によれば、直接的に保養支援の実施と記載されていることはありませんが、世界で起きている原発事故による深刻な健康被害とその回避の手法から学び、手探りの中、多くの団体やグループが保養支援の実施に取り組んでいるのが現状です。

全国各地で実施されている保養支援は、放射能による内部被ばく・外部被ばくの心配をすることなく、のびのびと外遊びができ、日本各地の自然に触れながら、その大地に育まれる野菜や穀物を摂り、心身をリフレッシュすることを、多くの団体が目的として活動しています。

しかし、ほとんどの保養実施団体は資金面でのサポート体制も脆弱で、運営を担うスタッフの確保も困難になっています。未だ終わりの見えない原発事故の収束を鑑みると、常に30年先の支援を考えざる得ない状況の中、「保養支援を必要とする当事者のために活動する団体」をサポートしたいという有志が立ち上がり、当基金は生まれました。

私たち自身も、多くの人々の助けを必要とする組織ではありますが、「保養支援」を行う皆さんと、そこに参加する当事者の皆さんと共に歩むことができるよう努力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

一般社団法人 子ども被災者支援基金
代表 鈴木 理恵

※「子ども被災者支援基金」は、「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律(平成24年6月27日施行)」の略称、「子ども被災者支援法」より名づけました。
子ども被災者支援法第8条では、「放射線量の低減及び生活上の負担の軽減のための地域における取組の支援に関する施策、自然体験活動などを通じた心身の健康の保持に関する施策」を講ずると定められています。